学校保健統計調査から見る子供の視力。
インターネットが日常生活に欠かせないものとなり、さらに、パソコンやタブレットなどの学習用端末の長時間利用で、子どもたちの視力低下が不安視されています。子どものいる家庭では、子どもの目を守るためにはどうしたらいいのでしょうか ?
文部科学省が令和5年11月28日に公表 、令和4年度学校保健統計調査(確報値)より。
視力低下の傾向続く ……令和4年度・学校保健統計調査
令和5年11月28日、文部科学省が令和4年度の学校保健統計確報値を公表しました。それによると、裸眼視力が「1.0未満」の小中高生の割合が過去最悪になったことがわかりました。コロナ禍でタブレット端末やスマホの利用が増え近くを見る時間が増加し、視力低下につながっていることが予想されます。
調査は令和4年4月1日から令和5年3月 31 日の間に実施。全国の幼稚園と小中高校(5~17歳)の健康診断結果を一部抽出して集計しています。例年は4~6月に行う健診を基にするが、令和2年度以降はコロナ禍で健診を通年で実施しており、文科省は過去の数値との単純比較は難しい、としています。
調査結果によると、令和4年度は裸眼視力が1.0未満の割合は小学生37.88%、中学生61.23%、高校生71.56%でいずれも過去最悪を更新しています。
さらにメガネやコンタクトにより視力矯正が必要な「裸眼視力0.3未満の者」の割合は、幼稚園0.97%、小学生11.99%、中学生28.26%、高校生42.11%となっていています。
運転免許証取得時の「眼鏡等」の基準となる「裸眼視力 0.7 未満の者」の割合は、
幼稚園児 6.82%
小学生 25.89%
中学生 48.84%
高校生 60.17%
となっており、当然のことながら学年が上がることに増加、高校生では6割が「眼鏡等」が必要となる結果となっています。
視力0.7は学校検眼では“B判定”です。一般的には視力が0.7以上あれば、教室のどの位置からでも黒板の文字を見ることが可能とされています。
それだけに、Bの判定といえば、まずまずの合格ラインと勘違いしがちですが、油断はできません。対策を怠るとどんどん近視は進みます。実際、小学生から高校生までの間にもっとも急激に近視が進行する、といわれており、この時期の視力低下を防ぐことが大切なのです。
【判定】 【視力】
A → 1.0以上
B → 0.7~0.9
C → 0.3~0.6
D → 0.2以下
たかが近視と軽く考えると、将来、後悔することになります。
令和5年11月28日発表の文部科学省の「学校保健統計調査ー令和4年度(確報値)の結果の概要」より。
▶︎文部科学省の「学校保健統計調査ー令和4年度(確報値)の結果の概要」の詳細はこちら
なお、詳細な集計表は
▶︎「政府統計の総合窓口(e-Stat)」に掲載しています。
視力低下はインターネットの浸透が原因…令和3年通信利用動向調査
令和4年5月に総務省が「令和3年通信利用動向調査」結果を公表しました。
この調査は、通信サービスの 利用状況、情報通信関連機器の保有状況等を調べるもの。平成2年から毎年実施しています。
調査対象は、20歳以上(令和3年4月1日現在)の世帯主がいる世帯及びその6歳以上の構成員が対象。令和3年9月にアンケートを40,592世帯に配布し、17,365 世帯から回答を回収しています。
調査結果を見るとインターネット利用者の割合は、13~59歳の各年齢階層で9割を超えています。6歳~12歳の年齢層でも84.7%と高く、インターネットが生活に欠かせないものとなっているのがわかります。
個人のインターネット利用機器は、全体でスマートフォンが一番高く68.5%、次いでパソコン48.1%。年齢階層別に見ると、スマートフォンを利用している6~12歳は40.5%、13~19歳は80.6%で、スマートフォン利用が子どもたちにも浸透していることがわかります。当然、20~49 歳の各年齢階層で約9割がスマートフォンを利用していました。
スマートフォンの保有状況は、世帯の保有割合が88.6%、個人の保有割合が74.3%と高い比率となっています。
SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を利用している個人の割合は、ほぼ全ての年齢階層で増加し、全体ベースだと78.8%がSNSを利用。注目されるのが、60~79歳の各年齢階層での伸びが大きいこと。60歳以上のSNS利用の割合は(インターネット利用者に占める割合)は約60%と高く、年齢に関係なく、FacebookやTwitter、LINE、mixi、Instagram、Skypeなどを使いこなしているのです。
大人も子どもも、インターネットにより目を酷使する社会に生きているのです。
近視になった……メガネやコンタクトをすればいい、
と考えていませんか?
子どもの視力が低下して、黒板の文字などがよく見えなくなると、メガネやコンタクトで矯正します。矯正することで、見えやすくなるのですが、ここで注意してほしいことがあります。
矯正して見えやすくなっても、視力が低下した原因が改善されていないと、《さらに視力が低下》→《メガネやコンタクトの度を強くする》→《さらに視力が低下》→《さらにメガネやコンタクトの度を強くする》という悪循環に陥ることになりかねません。
あなたに質問です。子どもの視力低下の原因は、なんですか?
●テレビを1日何時間も観ている。
●テレビゲームに夢中で、何時間も連続してゲームをやっている。
●SNSに夢中で、何時間もスマホを見ている。
(SNSとは…ソーシャル・ネットワーキングの略。ネットワーク上のコミュニケーション機能をもったサービス全般を指します。FacebookやTwitter、LINE、mixi、Instagram、Skypeなど)
●受験勉強で、何時間も休みなく勉強している。
人間の目は、野生時代の名残りで、本来遠くを見るようにできています。人間の目は、毛様体筋の働きで、カメラのレンズにあたる水晶体の厚みを厚くしたり薄くしたりして、ピントを合わせています。
遠くを見るときは、その毛様体筋がリラックスして扁平になり、水晶体の厚みを薄くなるように調節します。
逆に近くを見るときは、その毛様体筋が緊張してふくらみ、水晶体の厚みを厚くなるように調節するのです。
見る対象物の距離が近いほど、水晶体を厚くする必要があり、毛様体筋の緊張は強くなり、負担も大きくなるのです。近い距離で長時間スマホを見ている間中、毛様体筋はめいっぱい働き続け、疲れ果ててしまいます。
通常、睡眠をとれば毛様体筋の疲れはとれます。
ところが、長時間スマホを見ることを何日も続けると疲れが残って蓄積し、毛様体筋の緊張状態がとけなくなってきます。毛様体筋の緊張状態がとけなくなると、遠くを見るとき水晶体を薄くすることができず、遠くが「ぼやけてしまう」ことになります。近視になるということです。
いま、子どもたちの目は疲れています。子どもたちを取り巻く環境は、近くを見ることだらけです。
テレビゲームやスマホを使うことが避けられないのなら、目の健康を守るためにも、「パソコンやスマホは1時間見たら、10分くらい休ませる」が理想です。
そして、できるなら目の緊張をほぐすために、「目のまばたき体操」や「目のぐるぐる体操」などの目の体操をすることです。私たちは毎日、歯を磨いています。それと同様に、目に疲労を感じたら、無理をしないで休ませ、「目の体操」をすることを日課にすることです。
メガネやコンタクトで矯正すれば、よく見えるようになりますが、裸眼視力がよくなったわけではありません。視力低下の原因を知り、低下を予防することが大切なのです。
スマホのLEDライトは網膜障害を起こす可能性がある!?
知っている方も増えていると思いますが、スマホの光源はLEDライトです。
スマホを長時間、見続ける人は、LEDライトによる網膜障害が起こる可能性があるのです。
LEDライトが発する短波長の高エネルギーであるブルーライトは、網膜を障害することが報告されています。ブルーライトは、可視光の中でももっとも短波長・高エネルギーであるため、目の表面だけでなく、目の奥までダメージを与えるのです。
スマホ以外でもLEDライトは、パソコン、テレビ、家庭の電灯などからも放出されています。が、とくにスマホは、近くから集中してLEDのモニターを見続けますから、注意が必要なのです。
子どもの目は発達途上ですし、若い時期に目に障害が起こると、取り返しがつかなくなります。さらに、スマホを普通に使って過ごした今の子どもたちが、やがて成人し、30代、40代になる頃、白内障や網膜黄斑部の障害を抱えることになるかもしれません。
だからこそ、「スマホは1日で最高1時間まで」という目安をつくり、子どもの目を守ることが必要なのではないでしょうか。
▶︎「ブルーライトの影響!目に悪いことの理由と予防法を解説!」を詳しく知りたい方はこちらをクリック。
子どもの視力を低下させないために超音波治療器をおすすめ。
視力が低下して、メガネをかけるようにすすめられても、まだあきらめないでください。
超音波治療器「アイパワー」をお試しください。「アイパワー」を使った視力回復法は、超カンタンです。1日1回10分間、まぶたの上から「アイパワー」をあてるだけです。アイパワーを使用して、健康な目を少しでも取り戻すことです。
もちろん、すべての子どもに効果があるわけではありません。効果が出ない方もいます。しかし、アイパワーを使用することで、目の疲れをとり、目のコリをほぐすことができ、視力低下を防ぐことができます。
何度でも書きますが、現在の私たちを取り巻く環境は、目にとっては最悪の環境といっても過言ではありません。だからこそ、子どもの視力を低下させないための対応策を考え、実行に移すことが大切なのです。
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